この項では圧縮 tar
ファイル (.tar.gz
拡張のファイル)
のフォームで様々なプラットフォームに提供されている
MySQL
のバイナリの配布のインストールについて説明します。詳細は、項2.1.2.4. 「米国 Sun Microsystems, Inc. がコンパイルした MySQL
バイナリ」
を参照してください。
MySQL を取得するには、項2.1.3. 「MySQL の取得方法」 を参照してください。
MySQL tar
ファイルのバイナリ配布には
mysql-
形式の名前があり、VERSION
-OS
.tar.gz
は番号
(たとえば、VERSION
5.1.47
)
で、OS
は配布が意図するオペレーティングシステムの種類を意味します
(たとえば、pc-linux-i686
)。
これらの一般的なパッケージに加え、弊社ではまた選択したプラットフォームにはバイナリをプラットフォームに特化したパッケージフォーマットで提供しています。これらのインストールの詳細に関しては、項2.2. 「バイナリの配布を使用した標準 MySQL のインストール」 を参照してください。
MySQL tar ファイルのバイナリ配布をインストールするには以下のツールが必要です。
配布の解凍用 GNU
gunzip
配布のアンパック用 tar。GNU tar が機能することが知られています。オペレーティングシステムの中には問題があるとされる tar のプリインストールバージョンがあります。たとえば、Mac OS X、SunOS 4.x、Solaris 8、Solaris 9、Solaris 10 と OpenSolaris、および HP-UX の初期のバージョンに用意されていた tar には、長いファイル名に問題があることあ知られています。Mac OS X 上では、プリインストールの gnutar プログラムを使用できます。Solaris 10 と OpenSolaris では、プリインストールされている gtar を使用できます。欠陥のある tar のほかのシステムに、GNU tar を最初にインストールする必要があります。
問題が発生してバグをレポートする必要が生じた場合には、How to Report Bugs or Problems の手順に従ってください。
MySQL のバイナリの配布のインストールおよびその使用の際に必要な基本的なコマンド
shell>groupadd mysql
shell>useradd -g mysql mysql
shell>cd /usr/local
shell>gunzip <
shell>/path/to/mysql-VERSION-OS
.tar.gz | tar xvf -ln -s
shell>full-path-to-mysql-VERSION-OS
mysqlcd mysql
shell>chown -R mysql .
shell>chgrp -R mysql .
shell>scripts/mysql_install_db --user=mysql
shell>chown -R root .
shell>chown -R mysql data
shell>bin/mysqld_safe --user=mysql &
この手順では MySQL アカウントのパスワードは設定しません。そのプロシージャーの後は、項2.11. 「インストール後の設定とテスト」 に進みます。
上述のバイナリ配布のインストールに関する詳細な説明は以下のようになります。
mysqld にログインユーザーとグループを追加するには以下を実行します。
shell>groupadd mysql
shell>useradd -g mysql mysql
これらのコマンドにより
mysql
グループと
mysql
ユーザーを追加します。useradd
および groupadd
の文法は Unix
のバージョンによって多少異なる場合があり、また
adduser および
addgroup
などの別な名前を使用している場合もあります。
ユーザーやグループを
mysql
のではなく別の名前に変更することもできます。その場合、以下の手順で別の名前をつけます。
配布を解凍するディレクトリを選択してロケーションをそれに変更します。以下の例では、配布を
/usr/local
に解凍します。(この説明では、/usr/local
にファイルとディレクトリを作成する権限を有するものとして説明を続けます。ディレクトリが保護されている場合、インストールを
root
として行う必要があります)。
shell> cd /usr/local
配布を 項2.1.3. 「MySQL の取得方法」 の説明に従って取得します。所定のリリースでは、すべてのプラットフォームのバイナリの配布は同じ MySQL のソース配布でビルドされています。
配布を解凍すると、インストールのディレクトリが作成されます。次にそのディレクトリにシンボリックリンクを作成します。
shell>gunzip <
shell>/path/to/mysql-VERSION-OS
.tar.gz | tar xvf -ln -s
full-path-to-mysql-VERSION-OS
mysql
tar コマンドが
mysql-
名のディレクトリを作成します。VERSION
-OS
ln
コマンドがディレクトリへのシンボリックリンクを作成します。これによって
/usr/local/mysql
のインストールディレクトリに容易にアクセスできます。
GNU tar
では、gunzip
の個別の呼び出しは必要ありません。最初の行を以下のコマンドに置き換えて配布を解凍し取り出すことができます。
shell> tar zxvf /path/to/mysql-VERSION-OS
.tar.gz
ロケーションをインストールのディレクトリに変更します。
shell> cd mysql
mysql
ディレクトリにはいくつかのファイルとサブディレクトリがあります。インストールにもっとも重要なものは
bin
および
scripts
のサブディレクトリです。
bin
ディレクトリにはクライアントプログラムとサーバーが含まれています。shell
が MySQL
プログラムを間違いなく見つけるにはこのディレクトリの完全なパス名を
PATH
環境変数に追加する必要があります。項2.14. 「環境変数」
を参照してください。
scripts
ディレクトリは
mysql_install_db
スクリプトを含み、それによってサーバーのアクセス権限を保持する許諾テーブルを含む
mysql
データベースを初期化します。
mysql
から配布の内容にアクセスできることを確認します。配布を
mysql
として展開した場合、それ以上の操作は必要ありません。配布を
root
として展開した場合、その内容は
root
が所有します。次のコマンドをインストールディレクトリで
root
として実行して、mysql
に対するその所有権を変更します。
shell>chown -R mysql .
shell>chgrp -R mysql .
最初のコマンドはファイルの所有者属性を
mysql
ユーザーに変更します。2
番目のコマンドはグループ属性を
mysql
グループに変更します。
以前に MySQL をインストールしていない場合は、MySQL データディレクトリを作成して権限テーブルを初期化する必要があります。
shell> scripts/mysql_install_db --user=mysql
コマンドを root
として実行する場合は、次に示すように
--user
オプションを含めます。そのユーザーでログインしてそのコマンドを実行する場合、--user
オプションは無視できます。
コマンドにより、mysql
を所有者とするデータディレクトリとその内容が作成されます。
許諾テーブルを作成して更新したあとにサーバーを手動で再起動する必要があります。
ほとんどの MySQL
インストールは、必要に応じて
root
を所有者にできます。例外は、データディレクトリを
mysql
が所有する必要があることです。これを行うには、次のコマンドをインストールディレクトリで
root
として実行します。
shell>chown -R root .
shell>chown -R mysql data
マシンをブートしたときに MySQL
を自動的に起動する場合は、support-files/mysql.server
をシステムの起動ファイルがあるロケーションにコピーします。詳細
support-files/mysql.server
のスクリプトおよび 項2.11.2.2. 「MySQL を自動的に起動・停止する」
にあります。
DBI
および
DBD::mysql
Perl
モジュールをインストールする場合は、bin/mysql_setpermission
スクリプトを使って新規アカウントを設定できます。詳しくはmysql_setpermissionを参照してください。Perl
モジュールのインストール手順については、項2.15. 「Perl のインストールに関する注釈」
を参照してください。
mysqlaccess を使用して
MySQL
配布を標準とは異なる別のロケーション入れるには、mysqlaccess
が mysql
クライアントを探すロケーションを変更する必要があります。bin/mysqlaccess
スクリプトの 18
行目あたりを編集します。次のように見える行を探します。
$MYSQL = '/usr/local/bin/mysql'; # path to mysql executable
ロケーションを示すように、パスを変更してください。mysql
は実際にユーザーのシステムに記憶されています。これをしなければ、mysqlaccess
を起動したときに Broken
pipe
エラーが発生します。
すべてを解凍してインストールしたら、配布をテストします。MySQL サーバーを起動するには、以下のコマンドを使用します。
shell> bin/mysqld_safe --user=mysql &
コマンドを root
として実行する場合、以下の --user
オプションを使用する必要があります。オプションの値はサーバーに稼働に使用する最初のステップで作成したログインアカウント名になります。mysql
としてログインしているときにコマンドを実行する場合、--user
オプションは省略できます。
コマンドがすぐに失敗し、mysqld
ended
を出力する場合は、データディレクトリの
ファイルで情報を見つけることができます。
host_name
.err
mysqld_safe に関する詳細は、mysqld_safe にあります。
MySQL の権限テーブルにリストされているアカウントには、最初はパスワードがありません。サーバーの起動後に 項2.11. 「インストール後の設定とテスト」 の説明に従ってパスワードをアカウントに設定する必要があります。