i5/OS POWER MySQL パッケージは、IBM と協力して作成されました。MySQL は、ハードウェアの System i シリーズ上の PASE (Portable Application Solution Environment) 内で動作し、i5/OS 用の Zend Core にもデータベースサービスを提供します。
i5/OS 用の MySQL は保存ファイル
(.savf
)
パッケージとして提供されています。このパッケージは、追加のインストール手順なしで直接ダウンロードおよびインストールできます。
MySQL は、i5/OS V5R4
以降のリリースでのみサポートされます。MySQL
を操作するには i5/OS PASE
をインストールする必要があります。*SECOFR
クラスのユーザーとしてログインできる必要があります。
インストールを開始する前に、i5/OS でのインストールに関する注釈とヒントを読むようにしてください。i5/OS でのインストールに関する注釈 を参照してください。
前に MySQL をインストールしている場合
(ファイル /etc/my.cnf
を調べるとわかります)、インストールパッケージは既存の設定を使用します。インストール時に指定したデータディレクトリ
(DATADIR
) の値と MySQL
ファイル (USRPRF
)
の所有者は無視され、代わりに
/etc/my.cnf
から判断した値が使用されます。
新規インストール時にこれらのパラメータを変更する場合は、一時的に
/etc/my.cnf
の名前を変更し、目的の新しいパラメータを使って
MySQL をインストールして、前の
/etc/my.cnf
設定とインストール時に作成した新しい
/etc/my.cnf
ファイルをマージするようにしてください。
MySQL を i5/OS にインストールするには、次の手順に従います。
ユーザープロファイル
MYSQL
を作成します。MYSQL
ユーザープロファイルはすべての MySQL
ファイルとデータベースを所有し、MySQL
サーバーの実行時に使用するアクティブなユーザーになります。このプロファイルは、MySQL
ユーザーとしてログインすることがないよう無効にするようにしてください。ユーザープロファイルを作成するには、CRTUSRPRF
を使用します。
CRTUSRPRF USRPRF(MYSQL) STATUS(*DISABLED) TEXT('MySQL user id')
System i
マシンで、ダウンロードしたインストール保存ファイルの受信に使用する保存ファイルを作成します。このファイルは、General
Purpose Library (QGPL
)
内に配置するようにしてください。
CRTSAVF FILE(QGPL/MYSQLINST)
32 ビット
(mysql-
)
または 64 ビット
(5.0.42
-i5os-power-32bit.savfmysql-
)
の MySQL インストール保存ファイルを
MySQL
Downloads からダウンロードします。
5.0.42
-i5os-power-64bit.savf
ダウンロードした
.savf
ファイルを
System i サーバー上の
QGPL/MYSQLINST
ファイルに直接 FTP
で送信する必要があります。これを行うには、System
i マシンにログインしたあとで、次の手順で
FTP を使用します。
ftp> bin
ftp> cd qgpl
ftp> put mysql-5.0.42
-i5os-power.savf mysqlinst
QSECOFR
ユーザー ID
などの *SECOFR
クラスのユーザーを使って、System i
サーバーにログインします。
.savf
保存ファイルに保存したインストールライブラリを復元する必要があります。
RSTLIB MYSQLINST DEV(*SAVF) SAVF(QGPL/MYSQLINST)
インストールコマンド
MYSQLINST/INSMYSQL
を実行する必要があります。インストール時に
3 つのパラメータ設定を指定できます。
DIR(
は、MySQL
ファイルのインストールロケーションを設定します。ディレクトリがまだ存在しない場合は作成されます。
'/opt/mysql'
)
DATADIR(
は、データベースファイルおよびバイナリログの保存に使用するディレクトリのロケーションを設定します。デフォルトの設定は
'/QOpenSys/mysal/data'
)/QOpenSys/mysql/data
です。インストーラが既存のインストールを検出した場合
(/etc/my.cnf
の存在による)、このパラメータは無視されます。
USRPRF(
は、インストールされるファイルを所有するユーザープロファイルを設定します。プロファイルがまだ存在しない場合は作成されます。
MYSQL
)
MySQL
はどこにでもインストールできますが、この例では、MySQL
は /opt/mysql
にインストールされているものとします。この手順の前のほうで作成した
MYSQL
ユーザープロファイルをプロファイルに使用するようにしてください。
MYSQLINST/INSMYSQL DIR('/opt/mysql') DATADIR('/opt/mysqldata') USRPRF(MYSQL)
既存の MySQL インストールに対してインストールを更新する場合は、もともと MySQL をインストールしたときに使用したのと同じパラメータ値を使用するようにしてください。
インストールにより、必要なすべてのファイルがパッケージバージョンと一致するディレクトリ
(mysql-5.0.42-i5os-power-32bit
など)
にコピーされ、それらのファイルに所有権が設定され、MySQL
環境が設定され、MySQL 設定ファイル (in
/etc/my.cnf
)
が作成されて、通常のバイナリインストールプロセスのすべての手順が自動的に完了します。これが
MySQL
の新規インストールである場合、またはこれが新しいバージョンであることをインストーラが検出した場合
(/etc/my.cnf
ファイルが存在しないため) は、初期のコア
MySQL
データベースもインストール時に作成されます。
インストールが完了すると、インストールファイルを削除できます。
DLTLIB LIB(MYSQLINST)
MySQL を起動するには、次の手順に従います。
QSECOFR
ユーザー ID
などの *SECOFR
クラス内のユーザーを使って、System i
サーバーにログインします。
PASE 環境で id=0 のユーザー (標準の Unix
root
ユーザーと同等) を使って
mysqld_safe
を起動するようにしてください。この ID
を持つユーザーを使用しない場合、システムは
--user
オプションを使って設定した
mysqld
を実行するときにユーザーを変更できません。その場合、mysqld
は MySQL
データディレクトリ内のファイルを読み取ることができず、実行は失敗します。
call qp2term
を使って
PASE 環境に入ります。
インストールディレクトリに移動し、mysqld_safe
を実行し、サーバーのインストールに使用するユーザー名を指定して、MySQL
サーバーを起動します。インストーラは、インストールディレクトリ
(mysql-5.0.42-i5os-power-32bit
)
のシンボリックリンクを
/opt/mysql/mysql
としてインストールしてくれます。
> cd /opt/mysql/mysql > bin/mysqld_safe --user=mysql &
次のようなメッセージが表示されます。
Starting mysqld daemon with databases » from /opt/mysql/mysql-enterprise-5.0.42-i5os-power-32bit/data
MySQL サーバーの起動時に問題が発生する場合は、項2.11.2.3. 「MySQL サーバーの起動とトラブルシューティング」 を参照してください。
MySQL を停止するには、次の手順に従います。
QSECOFR
ユーザー ID
などの *SECOFR
クラスを使って、System i
サーバーにログインします。
call qp2term
を使って
PASE 環境に入ります。
インストールディレクトリに移動し、mysqladmin を実行し、サーバーのインストールに使用するユーザー名を指定して、MySQL サーバーを停止します。
> cd /opt/mysql/mysql > bin/mysqladmin -u root shutdown
MySQL
を起動および停止したセッションが同じ場合は、mysqld
から次のようなログ出力がある場合があります。
STOPPING server from pid file » /opt/mysql/mysql-enterprise-5.0.42-i5os-power-32bit/data/I5DBX.RCHLAND.IBM.COM.pid 070718 10:34:20 mysqld ended
MySQL の起動と停止に使用したセッションが異なる場合は、シャットダウンの確認はありません。
DBCS
システムでのインストールプロセスで問題が確認されています。DBCS
システムでの MySQL
のインストールで問題が発生する場合は、インストールコマンド
INSMYSQL
を実行する前に、ジョブのコード付きキャラクタセット識別子
(CSSID
) を 37
(EBCDIC
)
に変更する必要があります。これを行うには、既存の
CSSID
を判定し
(DSPJOB
を使用し、オプション 2
を選択します)、CHGJOB
CSSID(37)
を実行し、INSMYSQL
を実行して MySQL をインストールし、元の
CSSID
を使って
CHGJOB
を再度実行します。
MySQL に含まれている Perl スクリプトを使用する場合は、iSeries Tools for Developers (5799-PTL) をダウンロードする必要があります。http://www-03.ibm.com/servers/enable/site/porting/tools/ を参照してください。