MySQL では GROUP BY の使用法が拡張され、GROUP BY 節に含まれない非集約カラムや非集約計算を SELECT リスト内で使用できるようになっています。この機能を利用して、不要なカラムのソートやグループ分けを避けることで、性能を改善することができます。たとえば、次のクエリーでは、customer.name のグループ分けをする必要がありません :

SELECT order.custid, customer.name,
MAX(payments)   FROM order,customer   WHERE order.custid = customer.custid
  GROUP BY order.custid; 

標準 SQL では、GROUP BY 節に customer.name を加える必要があります。MySQL では、この名前は二重化しています。

この機能を使用する場合、GROUP BY 部分から省略されたカラムの値が、各グループのすべての行で同じ値になるようにすべきです。サーバーはどのような値もグループから自由に戻すことができ、すべての値が同じでないかぎり、結果は不確定です。

同様の MySQL 拡張機能が HAVING 節に適用されます。SQL の基準では、GROUP BY 節で検出されないカラムで、集約関数で囲まれていないものを、HAVING 節で名付けることはできません。MySQL では、それらのカラムで計算を簡易化することができます。この拡張は、グループ分けされていないカラムが、同じグループに関する値を持っていることを前提としています。それ以外では、結果は不確実になります。

ONLY_FULL_GROUP_BY SQL モードが有効になっている場合、GROUP BY への MySQL 拡張は適用されません。これは、GROUP BY 節で名付けられていないカラムは、集約関数で使用されていない場合、SELECT リスト、または HAVING 節で利用することができません。

選択リストの拡張も、ORDER BY に適用できます。つまり、GROUP BY 節に含まれない非集約カラムや非集約計算を ORDER BY 節で使用することができます。この拡張は、ONLY_FULL_GROUP_BY SQL モードが有効になっているときは適用しません。

いくつかのケースでは、MIN() および MAX() を使用して、ユニークなもの意外でも特定のカラム値を取得することができます。次の例は、sort カラムでの最小値を含む行からの column の値を与えます :

SUBSTR(MIN(CONCAT(RPAD(sort,6,' '),column)),7) 

項1.6.4. 「特定のカラムのグループごとの最大値が格納されている行」 を参照してください。

標準 SQL に準じる場合は、GROUP BY 節で式を使用することはできないのでご注意ください。式にエイリアスを使用することで、この制限を回避することが可能です :

SELECT id,FLOOR(value/100) AS val  
FROM tbl_name   GROUP BY id, val; 

MySQL は GROUP BY 節での式の使用を許可していません。例 :

SELECT id,FLOOR(value/100)   FROM tbl_name   GROUP BY id, FLOOR(value/100);