InnoDB ストレージエンジンでは、XA トランザクションがサポートされています。MySQL XA インプリメンテーションは X/Open CAE ドキュメント Distributed Transaction Processing:XA 仕様 に基づいています。このドキュメントは The Open Group によって発行されており、http://www.opengroup.org/public/pubs/catalog/c193.htm で入手できます。現在の XA インプリメンテーションの制限については、Restrictions on XA Transactions で説明されています。

クライアント側には、特別なことは何も要求されません。MySQL サーバーへの XA インタフェースは、XA キーワードで始まる SQL ステートメントで構成されています。MySQL クライアントプログラムは、SQL ステートメントを送り、XA ステートメントインタフェースの動作を理解することが可能である必要があります。それらは最近のクライアントライブラリに違反してリンクされる必要はありません。古いクライアントライブラリもまた機能します。

現在、MySQL コネクタの間では、MySQL コネクタ/J 5.0.0 は (Xan SQL ステートメントインタフェースを自動的に処理するクラスインタフェースを使用して) XA を直接サポートします。

XA は分散型のトランザクションをサポートします。それは、複数の別々のトランザクションリソースを、グローバルトランザクションに参加させることができる能力です。トランザクションリソースは RDBMS であることが多いのですが、別の種類である可能性もあります。

グローバルトランザクションは、それら自身の中でトランザクションのアクションをいくつか含んでいますが、それらはすべて、グループとして成功するか、グループとしてロールバックされる必要があります。要するに、これは複数の ACID トランザクションが、ACID 特性を持つグローバル操作のコンポーネントとして一斉に実行されるように ACID 特性を 「1 レベル上げる」 ということです。(しかし、分散型のトランザクションには、ACID 特性を達成するために、SERIALIZABLE 遮断レベルを利用しなければいけません。REPEATABLE READ の使用は非分散トランザクションに対しては十分ですが、分散トランザクションには不十分です。)

分散型トランザクションのいくつかの例

グローバルトランザクションを利用するアプリケーションは、1 つ、または複数のリソースマネージャーと、1 つのトランザクションマネージャーを含んでいます。

XA MySQL の MySQL インプリメンテーションは、MySQL サーバーがグローバルトランザクション内で XA トランザクションを扱うリソースマネージャーとして機能することを可能にします。MySQL サーバーに接続するクライアントプログラムは、トランザクションマネージャーとして機能します。

グローバルトランザクションを実行するには、どのコンポネントが関係しているかを知り、それらをそれぞれ、コミットまたはロールバックできるときにポイントまで持ってくることが必要です。各コンポネントがそれぞれの能力についてどのようなレポートをするかによって、それらはすべて 1 つのアトミックグループとしてコミット、またはロールバックしなければいけません。それは、すべてのコンポネントがコミットするか、またはすべてのコンポネントがロールバックするということです。グローバルトランザクションを管理するには、コンポネントか、接続ネットワークが失敗する可能性があるということを考慮に入れておくことが必要です。

グローバルトランザクションを実行するプロセスは、二相コミットを利用します。(2PC)これは、グローバルトランザクションのブランチによって行われるアクションが実行されたあとに起こります。

場合によっては、グローバルトランザクションは単相コミットを利用します。(1PC) たとえば、トランザクションマネージャーがたった 1 つのトランザクションリソースで成り立っているグローバルトランザクションを見つけたら (それを単一ブランチといいます)、そのリソースには準備とコミットを同時にするように指示が出されます。